ショーン・ペン監督の作品。エリート街道まっしぐらな青年の放浪記なんですが、実話がベースになっています。放浪する目的や意志が強烈に明確で、自分探しでは全くありません。人が人として生きていく事について、考え抜いた結果としての放浪です。これ観ていて鴨長明を連想したのは僕だけだろうか。学歴や収入、家柄に肩書き、そんな物差しが重視される世の中に辟易した青年がとった行動。人としてというより、人間として究極の生き方を求めた人生を青年は歩き出します。社会を客観的に見る視点や、ラストシーンの回想がまさしく方丈記を彷彿とさせます。ちょっと珍しい切り口の映画で、観た人によって異なる見解があるかも知れません。特に人生でつまずいたり、壁にぶち当たった経験のある人はかなり深く入り込むと思います。オススメの映画ですよ！