仕事柄旅先では石を中心に見ています。こちらは四国村の石組み。庵治石の産地である香川県を中心に、瀬戸内は花崗岩の産地が点在しています。運ぶのにも海路があるので実に都合が良い。そういうわけで建築仕事にも石が沢山使われています。将来的な課題として設計者の石の知識を底上げする必要があります。私も建築設計を生業にしていたので、そこら辺はよく分かっているのですが、設計者は石の知識が乏しいのです。材木や鉄骨の工場へは頻繁に出入りしますが、石材となるとガクンと脚が遠のくのです。

地元の石を使って地元の石工が手掛けた石仕事はこういうお地蔵様が一番の手本。思わず手を合わせたくなる石仏を彫った石工は、それこそ多くの人に救いをもたらしたことでしょう。その表情には石工の人格が滲み出ているようでもあります。観光地の足下を今一度見直してみてください。面白い石が沢山使われています。古い石なら概ね地元の石です。