豪雨の後
DATE 2026.09.24

名古屋市名東区の現場ですが、先の豪雨に見舞われていました。標高はほどほど高いので社殿は別段影響はなかったのですが、石造物が影響を受けました。写真の左に写る灯籠がそれです。実はこの灯籠は過去に一度修理されています。下周りと上に載る石の色が異なっていますが、上だけ水平に据え直しています。

もちろん神社の方々は気がついていて、弊社へ現調の依頼がありました。6月に全ての石造物の傾きや危険度を調べ、報告書としてお出ししていまして、来年度以降順次改修工事を行う予定になっていました。

過去に改修されたであろう石だけ水平になっていました。この記録が早々に役に立つのです。とにかく上は水平のまま何年か経過しているので、突如倒れる可能性は少ないと考えるのですが、今一信用出来ません。そもそも傾いた理由があるのです。そこで試掘調査を行うのです。

灯籠の傾いている間知石の下を掘ってみると予想通り穴が空いています。取り急ぎ注意が必要なことも神社の方々にお伝えするまでが私たちの役目。砕石を入れる応急処置を施し、あとは神社の方に判断を委ねる他ありません。雨が降る度に心配になるのは私たち。精神衛生上あまり良いとは言えない時間が過ぎるのです。

結局心配は現実になりました。結局豪雨時の水が半端なかったようで、水平だった部分までもが大きく傾き、間知が浮き上がっていました。気がついたのは神社の方々。異変に気がつかなかったら倒壊していた可能性大です。少なからぬ費用がかかる工事ですので、なかなか難しい判断ですが、間に合って良かったというのが本音です。作業に当たるのは灯籠職人。石工の職能は細分化されていますので、専門性を持った石工が関わることが重要。古い石造物は破損の可能性が極めて高く(既に壊れているという意味)、その場合、再製作が必要になることもあります。石種から既存部材に合わせた加工まで、元に戻せる石工の存在が絶対条件と思っています。当たり前ですが石の吊り方一つ違うのです。何とか年内に修繕出来ればと考えております。
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