お正月の休暇に淡路島を巡りました。最初の目的地は本福寺御水堂です。1991年に竣工した安藤忠雄設計による地下の本堂。地上の門？とも言うべき美しい一枚の壁。これだけで誰の設計か分かってしまいます。それは本当に凄い事です。

完璧な壁。そんな感じがします。この壁に込められた設計者・施工者の情熱は相当なもので、結果として子供が壁に張り付くのです。専門知識を持たない者にも伝わるものがあります。

蓮池の下にある本堂。ですからいわゆるお寺らしい姿はありません。池の下に本堂を造る事には異議が唱えられたようですが、実現したのはやはり設計者の情熱でしょうか。

お寺の規模に対して何故このような本堂が建ったのか。何だか不思議な感じがしました。唐突なのが現地に行くと良く分かります。そしてその理由も現地へ行けば分かります。このお寺を護持する中心的な家があったのです。隣接する墓地にあるのがサンヨーのお墓。サンヨーを創業した井植家が代々眠っています。建築家の作品であり檀家の建物である本堂。後世に素晴らしい遺産を残されたと思います。