豊田市博物館へ
DATE 2024.09.27
新設された豊田市博物館は坂茂さん設計。谷口吉生さん設計の豊田市美術館に隣接しています。今後は2つの建物をセットで見学する人も多いかと思います。日本を代表する建築家の作品が並ぶなんてもの凄いことです。見応え十分。
何となくですが豊田市美術館の面影を感じるのは私だけでしょうか。紙管がメインの建物ではないく、むしろ控えめな印象があります。博物館としての展示はこれからどんどん変わると思います。未だ建物の能力を使い切っていない感じ。
豊田市の名産は実は石材。和泉石材店でも毎年多くの豊田市産花崗岩を使っています。地質学的な観点から豊田市一円の石材を調べているようです。素晴らしい取り組み。
地域毎に石のサンプルがあり、それをマップ化しています。私たち石屋は、製品が出来るサイズの原石が出ない場所の石のことは分かりません。地質学と石屋の決定的な違いはそこ。ビジネスとして成立している範囲の石だけしか知らないのです。こういった活動をみて本当に感激しています。
豊田市周辺では花沢石という花崗岩が主力。足助で採掘されていた荒目石は閉山。地産地消なんて言う割には石材は全くそうならない。良い石が沢山採掘出来ているのにも関わらずです。そこら辺は私たちが早急に取り組むべき課題でもあります。というか小さなプロジェクトが近々動き出します。ご期待下さい。
豆矢跡。石は割った時に決着がついています。まさにそんな石の使い方でした。ちゃんとした石屋がついていれば初歩的な間違いは起こりません。良い建築には良い石屋が必要です。一部の建物を除いてほぼ壊滅的な状況の建築石材。ペンペラペンの薄いスライス材ばかり使ってきたツケはこれから払うことになります。そういう薄い石は風合いが出るのではなく、単なる劣化で終わります。ぜひとも次の世代につなげる石を使ってください。