和泉石材店

BLOG 「一言石句」

和歌山へ3

DATE 2024.03.09

アラベスクの模様の入った天井仕上げは手仕事の塊。恐るべきクオリティで仕上げてあります。現代の建築では滅多に見られないもの。

ホテル内の全てがオーバークオリティ。ペンペラペンのハリボテ建築とは異なる空気が漂います。普段石材を扱う仕事をしていますが、石は中身の詰まった素材です。足下に使われることが多いのは詰まっているから。石を叩いたあの硬質な感じが川久の建物全体にあるのです。

和室もありまして、この照明は旧川久のもの。当初経営していた会社は破綻し、現在は別の企業が経営しています。建物は基本的にオリジナルを維持しています。何せ法外なコストを掛けた仕上げがされていますので、よほどのことがない限りオリジナルを変えることは出来ないでしょう。

夢と希望が詰まった建物。バブルの遺産はぜひともこのまま維持出来ると良いのですが・・。心配事はいつか大改修する時がきた場合、オリジナル状態の維持が出来なくなること。金箔が金色の塗装になる可能性もあるのです。行く末を見守ることしか出来ませんが、何とかこのバブル遺産が残ることを祈っています。