和泉石材店

BLOG 「一言石句」

牛岩石を小叩きしました

DATE 2021.08.12

USHIIWAtataki1.jpgお盆前最後のお墓の工事は牛岩石(岡崎市産)のお墓でした。春頃からぼちぼち動き出した案件でしたが、小叩き仕上にしっかり時間をかけ、妥協の無い仕上がりになりました。愛知県の花崗岩でこれ以上に小叩きに合う石はありません。叩いている時の石の音色が甲高く、他の石との差を明確に感じます。価格相応の価値が備わった石だと思います。小叩きを担当した職人さんも納得の仕上がりで、早く完成させたい気持をぐっとこらえております。

USHIIWAtataki4.jpg石表面の小叩きは極めて繊細。小叩きをするまでの下地作りに3工程費やし、4度目で完成に至ります。素晴らしい質感なのですが、信じられない位に控えめなのです。何なら普通のお墓より大人しい。でも良く見るともの凄い手仕事がされています。結果として経年変化が明確に異なるわけで、そこをどう見るかが問われる仕上方法。石が柔らかな表情を見せるのが不思議なんですが、実際に触っても何だか柔らかな印象を受けます。表面の1mmにも満たない部分で起こる作用は、石が風化する物語の舞台なのです。

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この日は工場へ加工見学に行けない施主様の元へ、職人さんが実演に伺いました。そして塔婆立の一部に施主様自ら小叩き仕上を施してもらいました。工程や道具の説明も含め、コロナ禍で工場見学等が難しい場合、こういった形でお客様に説明出来たらと思っています。特に小叩き仕上は繊細すぎて大変さが伝わりません。映像や写真のコンテンツも沢山集まって来ましたが、実演が全ての面で上回ります。

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一枚石の台石は重すぎて上がりません。よってチェーンブロックで持ち上げ、石のフレームの上に固定します。地震力にも耐えられるよう外柵と一体化されたお墓は、数百年後には苔むして良い雰囲気になるはずです。デザインした私としては、このお墓の見頃をこの世で見られないのが無念というか何というか。石屋ってそういう仕事なんでしょうね。

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