和泉石材店

BLOG 「一言石句」

丁場見学その1

DATE 2023.11.17

先日富山から来られた造園家と建築家を石丁場に案内しました。ちなみに造園家のお墓を造るのが私たちのお仕事。建築家と私は旧知の仲というか元同僚という関係です。お二人とも石について全くの素人ではありません。造園家は私たちとは異なる石の知識を持っています。ただ、私が石丁場を見ていて思うのは、景観用の石材として使える石が沢山あるということ。そもそもPRもしていないし、石丁場としての規模も小さい。そうなると自ずと知る人も少ないのです。そんな事で、岡崎の石文化を発信していただけるよう富山のお二人に岡崎の石文化を一通り見てもらいました。

石製品の基本は手加工です。びしゃん、のみ切り、小叩き。色々な仕上方法があるのは多くの人が知っています。ただし、同じ仕上でも手掛ける人によって全く違うのです。ネット上に動画で作業風景をあげている石工もいますが、優れた石工は概ね寡黙です。

造園家のお墓は小叩き仕上となります。その意味や仕上までの本当の工程を見てもらいました。ネット上では拾えない情報が山ほどある事が分かると思います。岡崎の石の文化は産出される石の性質はもちろん、その地に生きる人の気質も大いに関係があります。控えめな小叩き仕上はまさにその象徴。

自ら叩いて分かる職人の技術。とにかく来年の春には誰にも真似出来ない超シンプルなお墓が出来ます。お墓本体の部品点数は3個。そのうちの棹石という一番上に置く碑面につかう石を石丁場で選ぶことになっています。もの凄く良い石が選べました。