理想のプロダクト
DATE 2012.01.17
写真は以前にこのブログで紹介したスポング社の珈琲ミルです。商品寿命がどの程度に設定されていたか知りませんが、未だにガリガリと珈琲豆を挽いています。有名なプジョーの珈琲ミルは、箱のデザインなんかが実に小洒落ていて、所有する喜びに溢れています。一方のスポング社の珈琲ミルは、やたら重たい真っ黒の本体で、とても見られる事を意識しているとは言えません。生活の主役に躍り出るわけでもなく、皆の注目を受けるわけでも無く、ただただキッチンの片隅で豆を挽くのを待っているわけです。無駄な部品は一切無く、珈琲豆を入れる所だけ白色に塗られています。ここに珈琲豆を入れると、不思議と豆の状態が良く解るのです。更に、やたらと重い本体は、豆を挽いている時のタッチが本当に素晴らしい。個人的にこういう製品が理想のプロダクトだと思っています。良いプロダクトには皆どこかしら禁欲的な雰囲気が漂っています。そしてその製品の目的を十二分に果たしている。自分がデザインするものもこうあるべきだと思っています。使う度に学べる素晴らしい珈琲ミルです。