今から60年以上前にボーエ・モーエンセンがデザインした名作椅子です。当社の打合せスペースの椅子として使っています。その昔、シェーカー教徒が自給自足で共同生活を送る際、様々な道具を自分達の手で作り出しました。一切の無駄を省いたシンプルなデザインが生活に行き渡り、やがてその生活スタイルは広く世に知れ渡る事になります。一見何でもないデザインですが、非常に繊細なディテールを持っており、隙のないデザインとい言えます。丈夫で長持ちし美しい。決して古くならないデザインの代表例です。私は椅子を何脚も収集していますが、椅子は小さな建築とも呼ばれ、その中にデザインや構造、素材や文化まで色々な要素を含んでいます。

こちらはジオ・ポンティのスーパーレジェーラ（超軽量）という椅子です。重さは約1.7kgです。指一本で持ち上がる椅子です。軽くする為に骨格の断面は三角形です。削ぎ落とされた限界設計が生み出した美しさがあり、全く隙のないデザインが独特の緊張感を与えています。
何もない空間にスーパーレジェーラを置けば、その空間を「鳴らせる」と比喩されます。実際の座り心地は・・・・色々と痺れます。

谷口吉生さんの設計した豊田市美術館へは定期的に通っています。全体の構成は非常にシンプルですが、そのディテールには毎回感心させられます。木と石、ガラスとステンレス、素材同士のぶつかりあう場所に細心の注意を払って設計されています。
ボルト1本まで仕様を定め、施工内容を指定しているため当社の石碑の図面はかなり細かいです。基本的に私が設計事務所時代に行っていた設計〜監理の流れを石材業界でもやっています。どうも周囲の石材屋さんとは仕事のやり方が大きく違うようで、当初はその仕事の流れを作るのにえらく苦労しました。今では周囲の理解も得られ、また大変良い職人さんにも恵まれて、毎日前進している感じがしています。
近日中に当社のWEBが完成致します。そこに出てくる石碑はそんな周囲の努力の賜物であります。WEBの完成をご期待下さい。