和泉石材店

BLOG 「一言石句」

プリズナーNo,6

DATE 2009.05.14

prisoner1.JPG1967年から英国で放映されたテレビドラマです。もちろんただのテレビドラマではありません。全17話それぞれにメッセージが込められており、その切り口が非常に楽しいのです。元諜報部員という設定のパトリック・マッグーハンはある村に幽閉されてしまいます。その村で彼はNo,6と呼ばれ、謎の組織の支配下に置かれます。毎話その組織のNo,2がNo,6の知るある秘密情報を聞き出そうと、あの手この手で迫ってきます。その幽閉先から抜け出そうとするNo,6。このやりとりが基本となって17話を構成しています。

prisoner2.JPGこの映画の何が凄いかと言いますと、そのディテールです。劇中のフォントはVillageフォントという書体で統一され、村にあるサインや新聞の見出しが全てこの書体です。小物の選定も相当練られており、ロータス7やエラン、コルティナやジャガーEタイプも出てきます。悪役の腕時計がルクルトのマスター・レヴェイユだったり。この時代にコードレスフォンや自動ドア、新聞の自販機まであります!

prisoner3.JPGこのドラマの切り口が優れていた事は、後にこのドラマの影響を受けた映画が沢山出ている事からも解ります。主演のパトリック・マッグーハンは、007のボンド役を断ったりしています。しかし、残念な事に今年お亡くなりになられました。私はその時香港にいまして、ホテルの新聞にマッグーハンが亡くなられたニュースが掲載されており、かなりショックを受けました。もちろんその新聞は大切に保管してあります。ちなみにこのドラマ、すすめてくれたのは大学の恩師です。その恩師はいつも「切り口」を大切にしてました。問題の切り口を変えると色々な考え方が出来ると。最高の教材でした。