折りたたみ自転車、野点セット、コンパクトカメラなど、移動する事を前提にしたモノには独特の機能美があるものです。以前のブログでご紹介したウィンザー＆ニュートンのセットもその一つです。今回紹介するのは、持ち運べる椅子、フォールディングチェアです。デザインはモーエンス・コッホで、何と1932年にデザインされたものです。しかし、当時はあまりに進んだデザインの為、1960年になって初めて商品化されました。

この脚部の構造が非常に良く出来ており、肘掛けの革部分を上に持ち上げるとパタンと平らになります。動きは非常にスムースそのもので、可動部分を金属で仕上げてあるので耐久性もあります。木と金属と布で出来た雰囲気のある椅子で、置いてあるだけでその場の雰囲気を変えてしまいます。座り心地も上々で、独特の沈み込みが味わえます。座り心地は椅子にとっての第一条件ですが、それに匹敵する位大事なのは雰囲気です。場の雰囲気を変えてしまう椅子。あるんですよ、そういう椅子。