和泉石材店

BLOG 「一言石句」

アーツ&クラフツ展

DATE 2009.07.30

ART1.JPG愛知芸術文化センターにて8/16まで開催されている「アーツ&クラフツ展」に行ってきました。イギリスから日本、日本からイギリスに渡った数々の芸術が多数展示されています。ウィリアム・モリスやマッキントッシュ、ホフマンなどはあまりに有名ですが、今回私が最も衝撃を受けたのはピーター・べーレンス! AEGタービン工場の設計者としての顔は知っていましたが、プロダクトデザインの手腕も素晴らしく、べーレンスデザインの電気ポットの前でしばし見入ってしまいました。それはそれは素晴らしいディテールの電気ポットで、図録によると顧客のニーズに合わせた複数のデザインが存在するようです。

ART2.JPG1942年、フルトヴェングラーはベルリンフィルを率いてべーレンスが設計したAEGタービン工場で演奏会を行いました。悪化する戦況の中での歴史的な演奏の舞台がべーレンスの設計した建物だったのです。ちなみにこの演奏の録音はメインマイク1本によるAEGが開発したマグネットフォン録音方式で行われました。べーレンスの事務所には、ミースやグロピウスなどが在籍し、後の建築界をリードする事となります。図録を眺めているとラスキンとモリスの功績の大きさに改めて気がつきました。アーツ&クラフツというムーブメントは、100年以上かけて様々な分野へ波及しました。濱田庄司やバーナード・リーチ、ミースやグロピウスもこの大きな波のどこでまた新しい波を起こしていたのでしょう。生活を豊かにする為のデザインを一同に見られる素晴らしい展示内容でした。是非足を運んでみてください。