元々教会用の椅子ですので一般には見ることのない椅子です。隣の椅子と連結出来たりスタッキングも可能で、色々なオプションパーツが用意されていたようです。デザインと機能のバランスが非常に良い椅子で、長時間座っても意外に疲れません。この椅子はフレデリシア社製ですが、個人的にフレデリシア社の製品が大好きだったりします。ナナ・ディッツェルのトリニダードチェアやモーエンセンのJ39なんかも今はフレデリシア社から売られています。881はウェグナーの手による椅子ですが、比較的部材がゴツイようです。この辺りは用途を加味してタフな構造に仕立てたのでしょう。それでいて一定の座りやすさを確保しているのがウェグナーの凄いところ。

座面はウェービングで構成されています。これが適度に沈み込んだりし、バネのような効果をもたらします。見た目にも綺麗で、お掃除も簡単。合理的な構造で、これまた881の主たる使用目的にぴったり。背もたれは大きくカーブしているので、深く腰掛けると大変安定します。教会用の椅子は機能的になる程に個性が無くなりますが、さすがウェグナー、しっかりデザインしています。地味ですが味わい深い一脚なんですよ。