フィン・ユール展
DATE 2021.09.18
もうすぐ終わってしまいますが、高山のキタニさんで開催しているフィン・ユール展に行って参りました。コロナ禍ですので、完全予約制となりますのでご注意下さい。
我が家にあるのはフィン・ユールのNo,53というモデルですが、そのライセンス契約がとうとう無くなるそうで、キタニ製のNo,53も見納めかと思うと寂しい気持ちで一杯。フィナーレがコロナ禍というのも皮肉ですが、貸し切り状態で好きなだけ見学出来るなんて今しか出来ないのです。
キタニさんの敷地内にはフィン・ユール邸が再現されています。当日は私たちだけでの見学となりました。建物の方角は本国の建物と同じだそうで、光の入り方などかなり近いと思います。ただ、真夏の日差しはないので、冬に行くと空間の感じ方などが違うかも知れません。ちなみに写真奥の山は乗鞍岳です。
フィン・ユールが三十代の時に設計した自邸らしく、建具の開閉方法が部屋によって違っていたり、実験的な意味も多分にあったと思います。居心地の良さそうな家だというのは直ぐに分かると思いますが、家具との調和や色の感じからすると、光をもの凄く大切にしている事が印象的。あちらの気候風土を感じさせる一面で、冬にもう一度見てみたいと思いました。
この日一番の椅子はこのベンチ。ディテールが実に繊細。素晴らしいベンチです。ロケーション、建築、家具、全てが完璧に揃った場所でした。
10年位前にキタニ製とニールス・ヴォッダー製を並べて比較した事を思い出しました。キタニ製の緻密で丁寧な仕事ぶりに驚いた記憶があります。リプロダクトというと、単に再生産するだけだと思ったら大間違い。昔のモノ作りと現代のモノ作りは根本的な所で大きな違いがあります。それは椅子というかモノを取り巻く私たちが変わったのです。寛容で無く、ちょっとした違いが受け入れられない世の中には、ニールス・ヴォッダーの椅子では耐えられないでしょう。そこら辺の葛藤が見え隠れするのがリプロダクト。キタニ製のNo,53は後々高く評価されると信じています。
それにしても素晴らしい展覧会でした。コロナ禍でなければ沢山の方が来られたでしょう。キタニさんありがとうございました!