EIZO
DATE 2010.03.12
以前からず〜っとこの時を待っていたTVがあります。EIZOのFORISシリーズです。数ある液晶モニターでもEIZOの製品だけが少々異なる地位を占めてきました。医療関係や色の再現性を重要視する業界では非常に評価の高いメーカーで、その技術をTVに持ち込んだ製品がFORISシリーズです。但しこの製品は一般の家電量販店では一切取り扱いをしていません。量販店の店頭販売は本来のモニターとしての質を競っているのではなく、単なる明るさとコントラストの比較でしかありません。隣よりも明るければ売れる。そんな売り場に並べてもFORISは売れない製品です。墓石の世界も似たような所があって、隣より大きく立派に見せたら売れるという傾向はハッキリしています。ところが石碑の本質的な良さはそれとは全く異なる所にあるのです。商品としてどこにフォーカスを当てるのか、なかなか難しい所です。
このFORISシリーズのデザインは名古屋で活躍するデザイナー川崎和男さんです。引っ越し中に本を整理していると昔の著書が出てきました。丁度CADが出始めた頃のデザイン界の変革が書かれています。デジタルかアナログか。何時の時代もアナログ的な物を良しとし、デジタル的な物は軽く見られがちです。しかしそれもデザインや物の本質とは関係の無い事だったりします。デザイナーや作り手の考え方がしっかり込められた物は、デジタル処理しようが何をしようが良い物になるのです。自分の目でものの善し悪しをきちんと判断するトレーニングを常日頃からしないといけませんね。