和泉石材店

BLOG 「一言石句」

山猫

DATE 2012.02.17

il gattopardo.JPG「山猫」はルキーノ・ヴィスコンティ監督の映画で、1963年に製作されました。あるイタリアの貴族を描いた物語なんですが、ヴィスコンティ自身がイタリアの貴族の末裔という生い立ちをもつため、映画のリアリティが格別です。最も注目すべきは照明で、人工照明を一切用いていない事です。自然光+蝋燭の炎が光源になっているため、淡い光が登場人物をよりリアルに映し出します。実際に舞踏会のシーンでは、出演者がやたらと団扇を使っていたり、汗だくになっていたりするのですが、どうやら蝋燭の熱で本当に暑かったようです。バート・ランカスター、アラン・ドロンが出演していますが、個人的にはバート・ランカスターが良かった。特に自分の老いについて考える場面では、観ている側が泣けてきます。ブルーレイに納められた映像の美しさは、過去にこのブログでご紹介したどの作品よりも素晴らしく、信じがたい色彩を与えられています。そして3時間に及ぶ映画は、全編を通じて高い密度で描かれており、是非一度観て頂きたい作品です。