和泉石材店

BLOG 「一言石句」

カッコーの巣の上で

DATE 2009.05.17

kakko.JPG1975年に公開された名作映画です。「カッコーの巣の上で」という邦題は非常に良くできた題名だと思います。カッコーはモズ等の異なる鳥の巣に卵を産み、そこでヒナが育てられるという変わった鳥です。ジャック・ニコルソン演じる主人公は刑務所から逃れるため、仮病を使い精神病院に収容されます。つまり主人公はここ(精神病院)にはいてはいけないのです。こういった、本来いるべきでない場所にいる状態を「カッコーの巣」が比喩している訳です。
この映画は、中盤付近までは収容されている人が「患者」であり、医師や婦長をはじめとする人たちが患者を統率しようとする形になっています。しかし、ある所から、その「患者」こそが人として最も真っ当な考え方の持ち主であり、医師や婦長こそが「患者」ではないかと思えてきます。患者は精神に異常をきたしているという理由で収容されていますが、本来治療が必要なのはそこを統治している病院の関係者です。この映画は色々な切り口のある懐の深い映画です。是非皆さん観て下さい。