和泉石材店

BLOG 「一言石句」

川奈ホテル

DATE 2025.04.01

大荒れの天候でしたがちょっと遠出をしてきました。目的地は川奈ホテル。ホテルの設計者は高橋貞太郎。過去に旅した赤倉観光ホテルなんかも手掛けています。ホテルから出てくる雰囲気が、帝国ホテルや赤倉観光ホテルと同じなのです。

建物内のあらゆるデザインが素晴らしい。ホテル内にある資料展示スペースにはその答えが。繁岡ケンイチ氏が手掛けていました。同氏については2010年のブログに取りあげていて、覚えていました。川奈ホテルに勤務していたこともその時記しています。赤倉観光ホテルの思い出がよみがえる素晴らしいデザインで、何とも言えない格別な雰囲気に満ちています。

このフォントにシビれました。ゴルフのためのホテルはもの凄いセンスが良かったのです。慎重にデザインされたことがうかがえる繊細さ。田舎家の英語表記は大文字で特別なフォント。Aの文字が茅葺き屋根を思わせるのですが、どうなんでしょうか。

若沖の絵画のようなタイルの滲み。ぼんやりとした滲みの連続が生み出す柔らかさ。塗装しただけの壁とは圧倒的に違う風合いの豊かさがあります。それこそホテルのいたるところにあるのです。

器から何から何までデザインされています。そして今なお現役で使われている。新しいデザインが絶対に真似出来ない価値がそこにあります。こういうクラシックホテルの良さはそこに尽きます。

ホテル入り口には根府川石でしょうか。淡い緑と赤っぽい部分がランダムにはられています。富士山が近いエリアは安山岩を使った石張りが多いので、概ねこういった風合いになります。このムラムラ具合が良いのです。火に強い性質もあるので館内のマントルピース周辺にも使われていました。ここまでコストを掛けたホテルはもう造れないでしょう。技術的な問題もあるでしょうが、何より社会がそれを求めないのです。ペンペラペンの建物ばかり見ていると、川奈ホテルの重厚感に圧倒されます。