先日石丁場へ原石を買いに行きました。市場へ魚を仕入れに行くようなイメージと思っていただけると分かりやすいです。そこへ行かないと手に入らないものがあるから行くのですが、そんなことをする石屋もいなくなってしまいました。施主様と一緒に行くことが大切で、石の文化を守るためには施主様の理解が欠かせません。お金を払う価値を常に意識すべきで、産地から加工、設置工事までの透明性を上げる努力を徹底するようにしています。

気になった石をその場でお買い上げします。今回は張り石を行うので真四角な石を選んでいます。もちろんこの石だけでまかなえるような工事規模ではありませんのが、この日の記憶を記す大切な材料になります。

選んだ石はこんな感じ。半分錆びていまして、お墓には使えない石です。普通は選ばれない石ですが、お寺の参道にこんな石が使われていたら素晴らしいと思います。どう使うか。そこを今から職人さんと共に考えるのです。この後手仕事の登場となります。