長女熱望の広島旅ですが、いよいよ平和記念公園へ向かいました。戦争のリアリティは日々薄れていきます。私たちの仕事でもそれは明らかで、戦争の慰霊碑解体や遺族会の解散などを目の当たりにしています。戦争の記憶を忘れてはいけません。忘れた頃にまたやってくる。そう思うのです。

慰霊碑の奥に見えるのは原爆ドーム。海外からも多くの人が訪れる場所。ここから見える景色を造った丹下健三の手腕に感謝するしかありません。後世に残る大傑作。建築家の本当の偉業は戦争の記憶を残す事。美しいだけの建物ではなく、明確なメッセージがある。本当に素晴らしい建築でした。

ピロティの中が何とも言えない空間になっています。緩やかに弧を描いているのがミソ。大きなスケールにだまされてはいけません。建築家はもの凄く緻密に設計しています。大きな建築ほどそういう繊細さが必要。