和泉石材店

BLOG 「一言石句」

やしまーる

DATE 2024.09.18

高松市屋島山上交流拠点施設やしまーるへ行って来ました。映える建築として大人気なようで、猛暑にも関わらずどえらい人。設計は周防貴之さん。連続した曲面構成が印象的ですが、石屋として一番見たかったのは屋根です。瓦のように見える板は全て地元で産出する庵治石です。この建物を見学する直前に四国村で安藤建築を見ていたのですが、逆に安藤さんの凄さを思い知ることに。昨今の軽く薄く透明な建築にない全てを安藤建築は持っていました。

建物からの景色には瀬戸内の美しい島々が広がります。ヘビのようにうねる建物はそこに溶け込むようにデザインされています。映える建築としての役割は大いに果たしていますし、文句なしの建物です。が、足らないものが何かは四国村へ行けば分かります。その足らないものは社会が求めなくなっているのだとも思うのです。心揺さぶる建築。最近では安藤さんの四国村ギャラリーであり、村野さんの世界平和記念聖堂であり、丹下さんの平和記念公園がそれ。単に古い建築ではなく、建築家を取り巻く全ての人の情熱を感じる秀作なのです。だからこそ時を超えて残っているのかと思います。