和泉石材店

BLOG 「一言石句」

スパニッシュチェア

DATE 2009.08.20

spanish.jpg父の還暦祝いにBeZONEさんで購入したボーエ・モーエンセンのスパニッシュチェアです。以前このブログで紹介したJ39と並ぶ、モーエンセンの代表作です。どちらの作品も、過去の椅子のリデザインという共通項があります。J39はシェーカーチェアが、スパニッシュチェアはスペインの伝統的な革張り椅子がそれぞれネタ元になっています。名作椅子の多くはこういったリデザインの賜物といっても過言ではありません。Yチェアなんかも明の時代の中国の椅子が原点にあります。しかし、単なるコピーでないのはそのデザインの切り口が異なるからだと思います。時代に取り残されない普遍性のあるデザインと実用性を盛り込む事がリデザインの大きな役割です。そしてそこにデザイナーの個性も表現する。モーエンセンはリデザインの天才ですね。

spanish2.jpgスパニッシュチェアの特徴である革なんですが、革は使っているうちに伸びちゃいます。ある程度の経年変化でテンションを調整できるよう椅子の裏面はこのようになっています。アーム部分はちょっとしたテーブルになる位に幅広く、ガッチリしています。実に男っぽい椅子です。しかしそのガッチリしたアームの裏側には緩いテーパーがかけてあったり、実に繊細なデザインが施してあるんです。椅子全体から受ける男っぽさとは裏腹の繊細なディテール。そこがこの椅子の最大の魅力でしょう。ですからちっとも飽きません。ちなみにこの椅子、現在の販売価格は購入時の値段の2倍以上になってました。何でこんなに値上りしたんだろう・・・。