これは車のドアのヒンジで普段は見えない部品です。これが車のドア周りの建て付けに大きく影響しています。ちなみにこの写真の車はFiat Pandaです。イタ車の中では最も安いベーシックな車ですが、こんなヒンジになっています。ここでケチるのであればプレス成形した薄い鋼板で作ってしまうのです。以前の社用車である軽自動車は総てこのヒンジでした。3年も乗るとドアの開閉が妙な感じになってきます。その代わりにPandaは内装で思い切りコストを抑えてます。日本の軽自動車の方がはるかに立派な内装をしていますが、同時にそれでいいのかという疑問も生まれてきます。あまりに表層の価値に固執し過ぎているのではないかと。

こっちはkangooのヒンジ。既に走行17万kmオーバーですが、ドア周りは未だしっかりしています。一事が万事、こういう所をいい加減に考えているメーカーの考え方は全てにおいてがその程度。ブレーキしかり、シートしかり。目に見えない部分にこそその会社の理念が現れるのです。ルノーとフィアット。少なくともこの2台の車のヒンジからは、両社の真面目な企業気質がうかがい知れます。私たちもこういった見えない所に使う金具はHILTI社製品に限定して使用しています。他のステンレスパーツは全て日本製。花立ては新潟の三条市、ロウソク立ては名古屋市北区の日研工業さん作。これからもこの姿勢は崩しません。絶対に。