誰にでも好きな宿ってあるのでは無いでしょうか。建築設計をしていた時は身分不相応な宿にも沢山泊まりました。今ではその時の経験が随分と役立っています。皆が勧める宿でも自分には合わない所もあったり、その逆もあります。今年2度目の訪問となった「holiday home」は、何かにつけて程よいサービスが出来ているんです。過剰な演出やサービスはかえって疲れてしまいます。貧乏性の私には高いホテルは「too much：充分すぎ」な演出が多すぎ、ナカナカ馴染めません。「holiday home」にある非日常は、探せば今の自分の家の周りにもありそうなものなんです。そういうものに気がつく事で、日常生活を豊かにしてくれます。ホテルで使っていたリネンや器を買って、家で使ってみる。毎日が少しずつ楽しくなります。

この窓の眺めを見せたくて皆を連れてきたんですよ。「holiday home」の部屋には絵が飾ってないのですが、多分コレが絵の代わりなんでしょう。どんな名画にも真似できない大自然の美しさが描かれています。おまけにこれ、365日間自動的に差し替えられます。素晴らしい。

ディテールもナカナカ面白いんです。古い金物が至る所に使われていて、こんな扉もあります。これは是非とも参考にしたい。こういう細かい積み重ねが全体の印象につながる訳で、スイッチ1つとってもちょいと捻ってあります。本当に些細な事ですが実に大切な事です。こういう事がきちんと出来ている宿はごく少数で、よっぽど企業理念がしっかりしていないと出来ないですね。宿泊先では色々と学ぶ事が多く、私たちの仕事に取り入れる事も多々あります。分野が違えば違うほど吸収すべき所が多いですね。今回も良い勉強になりました。