鯉コク
DATE 2013.03.30
鯉コクというものを最初に聞いたのは、以前このブログでご紹介した、「育児の百科」という書籍の中です。著書の中で松田先生が、母乳の出が悪いときは「鯉こく」がよろしいというお話しをしていました。鯉こくって一体全体なんでしょうか。簡単に言いますと、ぶつ切りにした鯉の身を味噌煮にしたものです。先日買った日本の名随筆のうち、肴という本で伊丹十三の鯉コクと題したエッセイがあります。実はその中で伊丹十三は鯉こくを食べている訳では無く、たん熊の折り詰めを食べています。鯉コクは子母澤寛の話を引用しただけ。例のごとくというか、たん熊の高級折り詰め1つに右往左往しながら食べる、夫婦のやりとりを、鯉コクの話を引き合いに展開するのです。読む者を引き込む文章といいますか、たった1つの折り詰めを食べる風景が、これほどの表現を引き出すとは・・・。マジックですマジック。私は見事に引っかかりました。そんな訳で鯉コクを一度食べてみたいと思います。