和泉石材店

BLOG 「一言石句」

旧伊賀市庁舎その2

DATE 2025.08.05

古い建物は何かと性能面でダメ出しされます。とにかく建具周辺や外皮性能が低いのです。耐震性〜温熱性能のうち、耐震性は命に関わるものですので、どうにもなりませんが、温熱性能は事情が違います。窓際はどちらかというと温熱性能に対して寛容な空間になっていて、室内側できっちり整えるという考え。建物内全てで完璧な性能を確保しない方向で、実に合理的だと思います。

こちらがスチールサッシです。建物全体がスチールサッシではなく、アルミ化された場所もあります。このスチールサッシを残すために温熱環境の解析をしたと言えます。

スチールサッシの何処が良いかと言いますと、見付け寸法の小ささです。鉄とアルミではヤング率(弾性変形の度合い)が違いまして、鉄はアルミの約三倍となっています。ざっくり言うと三倍丈夫という話し。より細い素材で期待する剛性が確保出来るので、見た目がシャープになります。

こちらがアルミ化された場所。とにかく部材断面がデカイのです。本当に断面寸法が三倍くらいあります。つまり、それだけガラス面が減るということで、開放感も全く違って来ます。残念ながら意匠面ではスチール有利。出来れば壊したくない。壊したくないというのはサッシではなくその雰囲気。そこが大事なんです。で、最初の写真にある文章が大切なのです。私が住む常滑市にも坂倉建築がありまして、これから議論されると思います。一つの方向性として、こういう使い方もあるのかなと。参考にしてほしいものです。