Honda e について
DATE 2025.11.25

ホンダeはビジネスとしては散々な結果でした。ただし、車としての評価はすこぶる高く、ドイツのカー・オブ・ザ・イヤーまで受賞しています。デザインとハードの両面でこれだけ評価されたけど売れなかった。難しい世界です。もちろん、売れない理由は分かります。割り切った結果失ったものが多すぎたのです。市場の要求はどんどん膨らみます。より大きく、より重くなるEV車。それに真っ向勝負したのがホンダeです。

内装は完全に初代シビックへのオマージュです。自社の製品に手本があるのは歴史のあるメーカーにしか出来ません。テスラは何の手本もないからあのキャラクターが可能になりました。ホンダeの内装は何だか懐かしい感じもあります。プラスチックの木目パネルが泣かせます。ハンドルのスポークも水平方向に2本というのもシビック的。モニターの大きさばかりが目につきますが、実際にはクラシックな雰囲気が漂っています。ウォークスルーが可能なところや、ステアリングが真円なのもすごく良いです。

ラゲッジの幅が狭いのはこれが原因です。リヤのサスペンションがストラット式(四輪独立懸架)になっていて、それが荷室内に出っ張っているのです。得たものは楽しすぎる走り。失ったのは荷室の幅。取捨選択が明確な希な車です。

Cピラー周辺に初代シビックのデザインがあります。力強いCピラーというとVWのゴルフを連想する方もおられるでしょう。初代ゴルフは1974年デビュー。デザインはジウジアーロ。そして初代シビックは1972年デビュー。全世界でベストセラーとなった初代シビックの影響がないはずがありません。ホンダのトゥデイといい、世界的に評価されるデザインを出しているホンダ。過去に頓着しない=継続性のなさも伝統といえます。ちなみにホンダは「ホンダ自動車」ではありません。本田技研工業株式会社という社名です。ジェットや耕運機など幅広い分野に進出しているのがその証拠。そしてF1で勝てる唯一の日本企業。ホンダの製品にはその片鱗が潜んでいます。面白いです。
